区立図書館の充実と発展を求めて

関　日奈子

　ねりま文庫連は1969年の発足の時に「公立図書館の充実に力を入れる」とその目的の第１に掲げました。以来練馬区の図書館計画の促進と司書職の設置を行政に要望してきました。

　平和台図書館建設懇談会以来、文庫連から委員が参加し、現在11館ができています。

　図書館が増え続ける中で司書率が下がり、危機的時点での稲荷山図書館開館時に、図書館協力員制度が生まれました。これは図書館サービスの専門性を支えるためで、協力員は図書館勤務経験者か司書資格を持つことが採用の際求められ、１年雇用ではあるものの10年以上働いている人もいます。

　このように練馬区立図書館が充実発展をとげてきた中で、2003年に「新行革プラン」が策定され、2004年「区立施設委託化・民営化実施計画――豊かさとゆとりある区民生活を実現するために――」が発表され、図書館は平成18年度に３館委託、20年度までに全館委託という方向が示されました。行政による豊かさとゆとりある区民生活の実現、その一歩として図書館の委託化が含まれたのです。

　さらに実施基準として次の４点があげられています。

　　�@　区として確保しなければならないサービスの水準が維持できること

　　�A　区民ニーズに対する柔軟な対応が可能となること

　　�B　経費が節減できること

　　�C　雇用創出等による地域の活性化が図れること

　ですからこの４点を検証し、慎重に行われなければなりません。しかし、これまで区民が行政とともに築いてきた図書館は、このままではサービスの水準が維持できるか、疑問です。というわけで「委託化に反対し、図書館の充実と発展を求める」陳情がなされました。

　教育委員会では不採択となりましたが、区民の代表である区議会では、文教委員会で審議が始まろうとしています。

　9月20日の委員会で陳情が読み上げられ、委員諸氏から以下の資料請求がありました。

　　●公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準　　●文字、活字文化振興法

　　●図書館協議会の全国的設置状況　　●都内委託実施区における受託事業者別雇用条件

　このような資料に基づいて区立図書館のあるべき姿を検討しようとする委員会の意気込みが感じられます。傍聴していて、区民生活での図書館の重要さの認識を、議会・行政・区民が共有できたという瞬間がありました。図書館の充実・発展は共通の願いなのです。