「学びから学び合いへの支援を目指して」について                                                  　　             　練馬区貫井　鈴木健夫　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　日頃生涯学習サービスを担当されている方々に感謝いたします。私は、60歳で会社を定年退職し、図書館利用を最大の楽しみにして、65歳を迎えた区民の一人です。

　練馬区生涯学習支援プラン２１（第２期）では「知りたい、深めたい、伝えたい」という「学びの循環」を基礎においており、とてもいいと思います。ここで図書館の役割はとても大きいといってはいますが、現実の図書館のあり方について、区としての位置付けがはなはだ弱いのではないかと感じているところです。

　第一に、中央館長としての光が丘図書館長を短期異動せず、司書で課長格の館長が長期、中期、短期目標をかかげ、管理し、腰をすえて図書館運営をする体制にしていただきたい。職員教育、時代の変化に対応した蔵書のあり方、議員や理事者への理解度増進など体系化された図書館運営には継続が必要です。

　第二は、施策案にもありますように、生涯学習の柱であるばかりでなく、区の図書館は区民への「情報」伝達の要なのだと思います。議員への情報サービスなども行われていないのではないでしょうか。

　第三は、職員の異動問題です。例えば、職員は３〜５年で他の職場に異動してしまう。折角障害者サービスに取り組んで、やる気も感じられこのまま続けてくれたらと思っていると、４月にはいなくなる。一昨年から陳情書を議会に出し、司書やベテラン職員を異動させないで、スタッフ業務としての専任職を制度化するという位置づけをお願いしてきましたが、一部理解されつつも、制度化への方向は道遠しの状態です。

　「浦安図書館が出来ること」（常世田良著,勁草書房刊）では情報サービスの基本はレファレンスサービスという書籍や情報の探索、紹介、コンサルティング、カウンセリングにあるとしています。司書の専門性が問われる仕事です。浦安図書館の職員は殆ど司書資格を持っています。そして図書館だけを職場として学び続けているのです。しかし、練馬では図書館職員が司書資格を取得している人はいますが、専任職として採用された司書職員がいません。練馬でも全員司書を持った専門家集団にすべきです。ベテランばかりだと業務効率も非常にあがります。業務の効率上コンピュータの導入が終わった現在、いかなる情報にも精通して区民にサービスできる全員専任職化が次の課題だと思います。

　第四は、ビジネス支援の問題です。労働の流動化が避けられない時代となり、区民の労働への知的支援が欠かせません。先進国の図書館を覗いてみると、蔵書のあり方、レファレンスサービスの仕方、読書カウンセリングなど労働のセーフティネットが十分に機能していて驚かされます。日本もそういうサービスを必要とする時代になってきたと思います。