| 田島征三さん講演会開催報告 |
５月１４日(土）、午後２時より、光が丘図書館視聴覚室において、田島征三さんの講演会が行われました。参加者は９８名と大勢の方が来場してくださいました。
この講演会は、教育委員会主催の委託講座でのさまざまな制約(たとえば２万円の予算など）に縛られず、学びたいことを自由に学ぶために、文庫連絡会が自前で学習会を行おうと企画したもので、会員に呼びかけて自主学習企画の会を立ち上げたのが２００４年６月８日でした。田島征三さんを講師にお迎えすることにしたのは、環境問題や平和問題に取り組み、さまざまな困難を乗り越えてこられたこれまでの生き方のお話を伺いたいという理由からでした。
作品を初期（１９６５−８０年）、中期（１９８１−９５年）、現在（１９９６年〜）と分け、事前に勉強会を３回行いました。勉強会ではそれぞれの作品がつくられた理由が理解できました。
「ふきまんぷく」 の説明をする田島さん 写真提供文庫連
当日は「いろいろあっても歩きつづける」というテーマで約１時間半お話をしていただきました。「ふきまんぷく」のふきちゃんの話、自分の表現したいものを作りだす苦悩、木の実に何になりたいかを聞くと木の実が勝手に形を作っていくという話など、楽しいお話でした。
「やぎのしずか」が売れすぎたのが気に入らず絶版にしたり、見えるものをそのまま書くのは嫌いだったり。なるほど、田島さんの画風はそういうところからきているのですね。
いろいろあっても歩きつづけるというテーマのように、田島さんは時代ごとにいろいろなことに立ち向かい乗り越えてこられたのです。あの飄々とした外見からはうかがえない強いエネルギーの持ち主だと感じました。
お話のあと質問を受け付けたところ、熱心なファンの方々の言葉に、先生も予定時間をオーバーするほどでした。
講演会終了後のサイン会では１冊１冊丁寧に本にちなんだイラストつきでサインしてくださり、いただいた方は本当にうれしそうでした。図書館の閉館時間が迫る中、一人一人の顔を見ては黙々と書いていらっしゃいました。
５月１７日に反省会を行いました。練馬区立美術館でも、同時期に偶然田島征三さんの展覧会が開催されていて、とてもタイミングがよかったということがあがりました。また、事前に勉強会をしたことで作品に対する思い入れも深くなり、興味をもってお話がきけたということもよい点でした。参加者の方々にも喜んでいただき、達成感を味わうことができました。
今回、光が丘図書館には、チラシを置いていただいたり、ポスターを貼らせていただいたり、又、当日は閉館時間までに片付けが終わらず、時間が少し過ぎてしまっても、気持ちよく対応してくださったりと、いろいろご協力いただきました。ありがとうございました。
