「おいでおいで文庫」の日々

　　　　　　　　　　　　　　　　　　利用者の会　関　日奈子

　図書館は私の生活を豊かにしてくれる泉のような存在です。なぜなら・・・。

　私は中村児童館で「おいでおいで文庫」をやっています。赤ちゃんから３才くらいまでのおさない子とお母さん（おばあちゃん、おじいちゃんも）たちが集まります。

　本がある部屋で、赤ちゃんはおかあさんのひざの上で、自分よりちょっとでも年上（4ヶ月の赤ちゃんにとって１０ヶ月の子は年上です。）の子のやっていることを目で追っています。おすわりして、本を持っていたり、本をあけたり、頁をめくったり、なめたりしているのをじっと見ています。１才をすぎて、歩いている子はお気に入りの絵本を見つけるとお母さんのところへ持って行きます。お母さんと一緒に楽しそうに絵を見ながらお母さんが読むのを聞いています。そこへ、よちよちと寄っていってのぞきこむ子もいます。私はこの親と子が本を楽しみ、本を中にして気持をつたえあう文庫のお世話をしているのです。

　私にとって毎週月曜日のたった２時間のこの時間はおおげさにいえば極楽です。

　この文庫の本は、図書館からの助成本がたすけになっています。

　文庫では「歌えほん」が人気です。おかあさんたちにとっては、なつかしい童謡がいっぱい。この中に「ぶんぶんぶん」という歌があります。３拍子のおどるようなメロディで２〜３才の子が大好きです。

　ぶんぶんぶん　はちがとぶ

　おいけのまわりに　のばらがさいたよ

　ぶんぶんぶん　はちがとぶ

やさしくてすなおな歌詞ですが、作曲者、作詞者は記されていないのです。

　子どもたちははちがとぶように手を羽根にして、走りながら歌っています。子どもたちは誰の作曲か、作詞かなど知らぬこと。でも大人の私は知りたくてたまりません。そこで図書館のレファレンスに依頼しました。

　ところがなかなか、これが難題のようで、「もう少し時間をください。ただいま探してます。」というわけで待っていました。図書館の職員の執念はすごい。わかったんです。曲はボヘミアの民謡。作詞は多摩村上染屋（現府中市白糸台）出身の詩人村野四郎でした。そして村野四郎記念館があることも。いつかひまをつくって行ってみるつもりです。