図書館ウォッチング２館目は、関町図書館である。７月３日一行６名で館長のウエルカムをうけて、職員の案内で見学をした。

　関町図書館のたたずまいは住宅地に溶けこんだ親しみのもてる趣きである。

　１９７３（昭和４８）年に石神井西中ＰＴＡが６５４１筆の署名とともに「図書館併設の社会教育施設の建設」を求める請願を練馬区議会に提出し、図書館づくりの運動が始まったのであった。

　１９８２年の開館から現在までの２２年間の関町図書館の年輪は、館内のすみずみの書架のレイアウトや、しゃれた表示に感じられた。まるで長年大切に使いこなされた家具が艶をもっているように、この図書館は地域の住民にとって、公共の書斎のような存在なのだろう。住民に向かって「さあ、あなたの調べたいこと、知りたいことの手伝いをします。楽しい本、好きな本を見つけてください」と、声をかけられているような気分になった。

○     参考調査コーナー　辞典、事典があり、そのほかいろいろの参考図書があり、練馬区の小・中・高校の使用している教科書のコーナーもあった。私は戦前の教科書の復刻本のなかの初等科国語八―墨ぬり教科書を借りた。相談カウンターもある。

○    児童コーナーに「こどもとおとなをむすぶほんたち」という書架があり、ブックリスト・絵本の楽しさを伝える本、子どもの本の解説書や評伝などが置かれていた。

○      青少年コーナー
石神井西中ＰＴＡの署名運動から始った、関町図書館づくりは、くしくも用地を石神井西中の隣接地に得たのある。青少年コーナーは巧みに書架にかこまれた、異空間であった。交流ノートがかっこよい箱に収まっている。「つぶやき　TSU-BU-YA-」「おすすめ本」「おすすめＣＤ」「４コマノート」と多数である。バックナンバーもごっそりあるようだった。石神井西中の現役やＯＢの若者たちは、このコーナーが繭なのかもしれない。

○   新刊本の書架のそばに、テーマ展示があった。７月は「海」そして「スポーツ・オリンピック」であった。

　土曜日の光が丘図書館のような利用者の多さはないがちょうど良い人数がゆっくり、ゆったりと「滞在」しているのである。    

　関町図書館は、地域の利用者へのサービスを責任をもって行っている良き職員と、そのような図書館を使いこなし、育てている利用者の存在を感じさせてくれた。
　
　練馬区立関町図書館の利用案内のキャッチフレーズは『心がかよう楽しいとしょかん』である。