「練馬区子ども読書活動推進計画」ができました。

　平成１５年６月から検討を行ってきた「練馬区子ども読書活動推進計画」が出来上がり、計画期間５年間の１年目がスタートしました。本計画は読書の習慣を身に付ける基礎となる子ども時代に、練馬に生まれ、育つすべての子どもたちが本との幸せな出会いを体験し、読むことの楽しさを知ることができるよう、また、成長段階に応じて読書に親しめるよう、その環境を整え、機会を提供しようとするものです。

区がこうした計画を策定した背景には、一連の子ども読書に関する動きがあります。平成１１年８月、平成１２年を「子ども読書年」とする旨衆参両院で決議され、平成１２年５月には「国際子ども図書館」が開館しました。平成１３年１２月議員立法により「子どもの読書活動の推進に関する法律」が公布・施行されました。この法律では、目的・基本理念に続き、三条国の責務、四条地方公共団体の責務、五条事業者の努力、六条保護者の役割について記されています。この法律を受け、国は、平成１４年８月「子ども読書活動に関する基本的な計画」を作成、東京都は、平成１５年３月「東京都子ども読書活動推進計画」を策定・公表し「東京都の取組」と「区市町村に期待される役割」を示しました。

これらを受けて、練馬区の計画は策定されています。第一章　計画策定の背景、第二章　子ども読書活動とは、第三章　計画の基本的な考え方、第四章　子ども読書活動推進のための取組の四章構成です。その他発達段階別取組一覧、取組体系図、資料編で構成されています。（計画の内容は練馬区のホームページに掲載されています。）

本来、読書は個人的な営みといえます。しかし、子どもの読書について国が推進のための法律を作るに至ったことには大人たちの危機感が感じられます。映像文化の浸透が進み、子どもたちの興味関心も多様化し、活字離れ、読書離れが進んでいます。その結果、言語能力の低下、語彙量の減少、表現力の低下、日本語の乱れなどに影響があると指摘されています。

法律では、「子どもの読書活動の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって子どもたちの健やかな成長に資することを目的とする。」としるしており、区の計画では第二章第一子ども読書活動の意義で「読書により子どもたちは、広い世界を知り、発見や感動を体験し、自ら考える習慣や豊かな感性、思いやりの心などを身につけることができます。また、読書の中で、悲しみを乗り超える主人公の姿などから、勇気や、正義感、困難に主体的に立ち向かう姿勢などを学ぶことができます。―省略―子どもたちが自ら進んで読書に親しめるよう、区を挙げて環境の整備に努めていくことは極めて重要です。」と記しています。

図書館には、これまで以上に大勢の子どもたちがやってきます。本計画の対象は0歳から18歳です。利用者の方々には子どもたちの「図書館デビュー」を温かく見守っていただきたいと思います。もちろん社会教育施設である図書館のマナーやルールも少しずつ身に付けていけるよう、図書館としても利用者教育に力を入れていきたいと考えています。利用者の皆様も、ぜひ、子ども(孫)をつれて図書館へお出でください。